きたむーブログ⚽

サッカーと身体操作の話☆

ディープインパクト × 走法考察③『蹄鉄』前編

どもー。

きたむーです(^^)/

 

今回はディープインパクトの走法考察③になります!

前回の投稿です↓ 

ktmcho11.hatenablog.com

 

とうとうパート③まできたかー

こんなに長くするつもりはなかったな、、

やっぱディープだけに、走法も深いわー

(^^;

 

ここまで読んでくれている方が離れない内に、さっさと本編にいきましょう!笑

 

🔷目次🔷

 

蹄鉄の減りが遅い

前回の考察②の冒頭でもお話しましたが、ディープの特徴として有名なエピソードがあります。

それが、ディープは『蹄鉄の減りが遅かった』事です。

 

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蹄鉄は競走馬にとっての『スパイク』のようなものです。

競走馬が芝やダートを強く蹴る事で、蹄鉄も少しずつ磨耗していきます。

 

アグネスワールドエアシャカールといったGⅠ馬は、2週間もすれば蹄鉄がぺらぺらに薄くなってまっぷたつに割れそうなくらいに減っていたそうです。

ところが、ディープインパクトの後肢の蹄鉄は3週間履き続けてもほとんど減りませんでした。

他の馬の蹄鉄は、先端からすり減ります。ところがディープインパクトの蹄鉄は、すり減っても、全体的に万遍なく減っていきました。

出典元:ダービーと接着装蹄 - ウェブ1丁目図書館 さん

 

こちらの『ウェブ1丁目図書館』さんのブログによると、

消耗の激しいはずの競走馬の蹄鉄ですが、ディープの蹄鉄は3週間経ってもほとんど減らなかったと紹介されています。

 

今回、ディープの蹄鉄が減らない要因に関してネットで色々調べた所、

・ディープは地面を叩くのではなく、掴むように捉えている

・地面を掴まえている事で、蹄と地面との間で摩擦が起きない(滑らないで接地している)⇒蹄鉄が減らない

 

といった要因があるようです。

 

恐縮ながら、私はこの点に関しては、今回、改めて異なる考えが浮かびました。

 

それは、ディープは掴む接地というよりは、蹄鉄に圧を加えないほど軽い接地をしている、という事です。

 

ディープの接地

先程引用させていただいた最後の文に、ディープの蹄鉄は、他の馬のように先端からすり減るわけではなく、蹄鉄全体的に満遍なく減っていった、と書かれています。

 

つまりディープは、

・横ずれ縦ずれがなく、蹄と地面がピタッとくっつくような接地をしていたといえます。

突然ですが、ここに接地に見立てたフローリングワイパーがあります。笑

クイックルワイパー的なものですね)

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蹄が満遍なく接地するとは、このようにワイパーのヘッドの部分が浮いたり傾いたりせず、地面とピッタリ重なる状態だと思います。

 

上の画像をディープの左後肢としますと、

そのままヘッド(蹄)が浮くことなく、パイプ(脚)だけが前に出て回転していきます↓

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ディープのように蹄鉄が地面に満遍なく着いたまま脚を回転させるには、このような形になると思います。

 

※注意点として、ヘッドを動かして床を拭く動きをするのではありません(本来は床を拭くための物なんですが汗)

ヘッドは動かさずにその場に置いたまま、パイプだけが前にいく形です。

 

ヘッドで床を拭く動き

『ヘッドを動かして床を拭く動き』は、走りに置き換えると、蹄で地面を掻いて摩擦を生む行為になる訳で『蹄鉄を磨耗する接地』になります。

 

ディープは蹄と地面の摩擦が少なく、蹄鉄の磨耗が少ないのが特徴です。

ですので仮に、ディープが地面を掻くように強く捉える接地をしていたとすれば、蹄鉄の磨耗が大きくなっていないと説明がつかない事になります。

 

この事からディープは『掻く』以外にも『叩く』『押し込む』といった、地面との摩擦が強まる接地の仕方をしていなかったと推測されます。

 

ヘッドで床を『拭かない』

そしてもう1点、ディープの蹄鉄は全体的に満遍なく減っていたという点です。

上記のように地面とピッタリ接地していたとしても、力の入れ具合が偏っていれば、蹄鉄の磨耗も一部分に偏る可能性があります。

 

皆さんも、足を地面にペタッとくっつけたまま、前荷重や後ろ荷重など、力を加える箇所を偏らせる事ができますよね、それと同じです。

つまり、ディープの蹄鉄のように『全体的磨耗』になるには、蹄全体が地面とピッタリ接地しているだけではなく、荷重的にも蹄に均等に圧がかかる接地でなければなりません。

 

以上の点をまとめますと、

・ヘッドがズレないでピタッと接地

・摩擦を生まないためにヘッドは動かない

・ヘッドへの荷重が均等、かつその荷重も軽い(ディープの磨耗は少ない)

となります。

 

以上の点を全てクリアしたワイパーは、どんな動きになるでしょうか。

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パイプを強く握ったり押したりする

⇒ヘッドの接地圧に偏りが出やすい

⇒ヘッドが動いてしまって摩擦が起きやすい

 

なので、ヘッド(蹄)が動かないようにパイプを『最小限の力』で持って動かす。

つまり、ディープは脚に最少の力しか入っていなかったのではないか、ということです。

 

これは脚やその他筋力を使っていないという事ではなく、筋力で地面に力を加えるという作業を他の馬ほど強くやっていなかった。

そして別の方法・質においてスピードを担保していたのではないか、という事です。

 

蹄鉄に干渉しない走り

そしてその走法とは、脚全体を滑らせて『前に滑り飛ぶ』ような走法だと私は考えています。

ディープの蹄鉄の特徴から見れば、蹄鉄への衝撃が多様な意味で少なく抑えられているのは明らかです。

であるならば、ワイパーのヘッド(蹄)に干渉せずに、ワイパーにおける首の部分(1番最初のワイパー画像で足首と示している部分です)を柔軟に滑らせて脚を回転させる事が想像できます。

(まさにフローリングワイパーに求められる機能ですよね笑)

 

つまり、ディープは4本の脚を滑らせるように着くことで『体全体をスライドさせて運ぶ』走りをしていたのではないか。

地面を掴んで滑らない接地をしているというこれまでの分析が正しいのと同時に、

地面と蹄の『接地面』が滑らない代わりに、蹄の上に位置する四肢の『関節』が柔軟に滑っていたのではないか、というのが私の考察です。

 

という事で、次回はこの『滑る走り』について詳しく解説したいと思います。

よければご覧ください(^^)

 

ではまた⏩️✋