どもー。
きたむーです🙂
今回は【体の使い方、その個性】について話そうと思います。
ちょっとフワッとしたテーマですが、、
筋力や柔軟性といった体のスペックよりも前の所、そんな話ですのでよければお付き合いください(フワッとしてるー笑)
普段何かスポーツをされていて競技力向上を求める人やアスリートにとって、
筋トレによる筋力アップや、柔軟性の向上というのは、
その人のフィジカルや技術の『あと少し引き伸ばしたい最後の部分』を高める事に繋がります。
対して体の使い方を変える事は、
ポテンシャル(潜在的な能力)の限界値を引き伸ばすというより、
ポテンシャルの大枠を全取っ替えする事になる(フルモデルチェンジする)という事になります。
今回このテーマにしようと思ったきっかけがこちらの記事です↓
2年連続で投手5冠「山本由伸」がプロ1年目に直面した“限界”…「筒香嘉智」を指導した“先生”が「フルモデルチェンジが必要」と伝えた理由(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/a953323bf5b50de6c255a0a1fb47bad0d21463f7
皆さんご存知、オリックス・バファローズの山本由伸投手。
今や球界のスターとなった山本選手ですが、彼が『アーム投げ』といわれる独特のフォームで大活躍を始める前、
フォームチェンジのきっかけとなった経緯が記された素晴らしい記事です。
ぜひ読んでみてください。
🔷目次🔷
1.自分の感覚>アドバイス
そんな山本選手ですが、記事の中で『自身のフォーム』の限界を悟っているシーンがあります。
高校時代から、たびたび肘が痛くなるのが悩みだった。病院や整骨院を訪ね歩いても、原因を突き止めることができない。
「先生たちから『インナーをもっと鍛えたほうがいい』『ストレッチをしてみてはどうか』などとアドバイスをもらったことはたくさんあったけど、僕的には全然納得していなかったというか、ピンと来る答えはもらえていなかったんです」
プロに入っても、右肘の悩みは一向に改善されない。そんな日々をすごす中で、山本には感じていることがあった。
今の投球フォームでは、いつか限界が来ると――。
デイリー新潮編集部
山本選手は肘の痛みに悩まされる中で様々な治療やアドバイスを受けたようですが、
上記の中で『ピンとくる答えをもらえていなかった』と述べています。
その後、山本選手はフォーム改造のきっかけとなるトレーナーに出会ったことで、
競技パフォーマンスの向上と、怪我をしない身体を手に入れたわけです。
この山本選手の言動から私がお伝えしたい事は
▶医師やトレーナーの先生が示してくれたアドバイスであっても、
自身でその正否を見極める作業をするという事です。
山本選手はこれをやって『違う』という判断をしたから、最終的に彼に合うフォームに辿り着いたわけです。
▶そしてもうひとつは、
山本選手は『今の投球フォームでは限界がくる』と自身のフォームのポテンシャルを見極めていた事です。
これは怪我をする未来がくるという事だけではなく、
おそらくパフォーマンス的にも、100%になった未来がきても通用しないという事だったのかなと思います。
山本選手はそこでブレーキをかけて立ち止まれた、そこが一流のスゴさだと私は思います。
怪我をして、後悔して、それでやっと自分の感覚というものを信じられる事もあります。
それでも遅くはないと思いますが、
山本選手のように、怪我をする前から自分の感性や感覚というものにアンテナを張り、
その感覚に向かって身体を変えられる人が、やはり超一流なのだと思います。
医師や整骨院の先生方を批判するわけではありませんが、
もし山本選手が『信頼している先生の言っている事だから、、』と
アドバイスを鵜呑みにしたまま何も変えていなかったら、
フォーム改造もなく、怪我をした選手人生だったかもしれません。
山本選手はあくまでも自分の感覚が最優先で、たとえ優れたトレーナーさんのアドバイスであったとしても、これは違うと変える事ができた。
そこが分岐点だったと、恐縮ながら私は思います。
今、世の中には様々なトレーニング方法や理論が溢れていますが、それが全ての選手にハマるわけではありません。
有名な選手がやっているトレーニングだからやろう、、
ではなく、何が自分に合っているのかをちゃんと知ること。
そして、自分の体に合わないならやめる選択を取る事も大切だと思います。
山本選手は、そういった『自分の感覚を大切にする事』の重要性を教えてくれている気がします。
2.身体操作は運動のOS
山本選手はやり投げやブリッジなど
独特なトレーニングと
ウエイトトレーニングをしない事で有名です(現在もやっていないのかはわかりませんが)
ウエイトで筋力強化をしていなくてもあれだけの重い球を投げるのですから、
身体操作の根本を変える事による、パフォーマンスアップのポテンシャルはとても大きなものだという事ですよね。
体の使い方というのは、筋力や柔軟性といった体のスペックよりも前、根っこにある体を動かすOSです。
筋力や手足の使い方、角度、そういったものをどのように操作するか。
体の操作の仕方(OS)を変える事で、手に入れた筋力をそれまでよりも効率よく発揮させられるようになるかもしれません。
OSを変える事は、その人の競技技術の高度な所だけ変わるのではありません。
基本技術、立ち方、走り方、ステップ、体を動かす根本的な所から『変わりきる』という事だと私は思っています。
❶体という本体がある
❷OSによる動作
⇒立ち方、歩き方、走り方、普段なにも意識しない、無意識の中での動作
❸運動やスポーツ競技の技術
►意識して獲得した動き。OSというよりは、プログラムされた動きをインストールするイメージ。
ここで❷との繋がりがシャットアウトされる事も。
►❷の無意識の普段の動きと関連性のない、競技でしか使われない動作であるほど、❷の動作ポテンシャルは発揮されない。
❹筋力や柔軟性
⇒❸で決定された動作の実行パフォーマンス。
3.自分の感覚=個性となる身体操作
山本選手は肘の痛みがある中でも、自分自身の個性となる身体操作にマッチする治療やトレーニング方法をずっと精査し続けていたのだと思います。
それは、❸の競技動作(投球フォーム)が、
その人の身体の本来のポテンシャルである❷の動きの延長上になかったからだというのが私の考えです。
私は、❷の無意識下にある動作が、その人にとって【最もポテンシャルのある個性の動作】だと思っています。
ですので、❷と繋がりのない動作を❸で獲得しても、それは後付けされたポテンシャルの低い動作になる。
山本選手は、❷の自身の個性となる身体操作を『自分の感覚』として自覚し、明確な指針として持ち続けていた。
だから❸との相違や違和感に気づく事ができ、ピンとこない違うアドバイス、違う動きに疑問を持つ事ができたのだと思います。
多くの人は、❷のその人自身の個性となるOSを自覚しないまま、
❸のセオリーとされる動作を、簡単に受け入れてしまいがちなのではないでしょうか。
だから❸で迷ったり立ち止まった時に、❷という指針があやふやで比べる事ができない。
自身の本来の動きが❷、競技の特異的な動きが❸
この二つの相違が深まるほど、怪我のリスクが高まったりパフォーマンスの向上に繋がらない、といった事が起こるのだと思います。
私は、その人自身の個性の身体操作こそが、競技パフォーマンスのポテンシャルを最高値へ持っていく唯一の指標なのだと思います。
山本選手は自分自身の個性の身体操作や感覚を、トレーニングやフォームを選択する指標としてぶれずに持ち続けていました。
そしてそこにハマるものを探し続けたから近年の大活躍に繋がったのではないでしょうか。
というわけで、今回はスポーツや運動の現場で言われる『自分の感覚』にスポットを当ててみました。
個性、多様性、教育や社会の現場でもよく耳にするようになりましたが、
運動の現場でも大切にしていきたいですね😄
ではまた、次回に⏩