どもー
きたむーです🫡
本日はリヴァプールのファン・ダイクについて。
ファン・ダイクは以前にもブログを書いていますので、よければご覧ください。
昨日はプレミアリーグ28節、リヴァプール対マンチェスターシティの首位攻防戦がありましたね。
日本の遠藤選手が活躍する中、試合は引き分けに終わりました。
この試合で話題になったのが
リヴァプール・ファン・ダイクとシティ・ハーランドのカウンターでの一対一です。
SNSなどでは「世界最高のハーフコート1on1」
と盛り上がっておりました😲
公式のダイジェスト動画を張っておきますのでご覧ください。
(ハーランドとのマッチアップは動画内4:08~あたりです)
▶目次
ファン・ダイクの背走DF
前半38分、カウンターでボールを受けたハーランドが、ハーフウェイ付近からファン・ダイクとの一騎打ちの形になります。
最初にハーランドは右に向かう進路を取りますが、そこから得意の左足で打てるように最終的に左に抜けます。
結果、シュートは打ちましたがキーパーの正面でした。
私が注目したのはこの時のファン・ダイクの対応です。
ハーランドのドリブルに対して、ほぼ完全に背走しながら対応しています。
DFというのは一対一において、
▶相手と正面から向かい合う「正対するDF」
▶相手と半身で向かい合う「半身のDF」
というのがほとんどだと思います。
完全に後ろ向きになって対応するのは、
・目を切るDFになる
・ボールを奪うというアタックができない
というデメリットがあるため、
あまり良い対応ではないと言われているのではないでしょうか。
私自身も、目を切ったらダメだから(置いて行かれるから)と言われたことがあります。
ですがファン・ダイクはそんなのかんけーねーと言わんばかりに笑、がっつり後ろ向きで対応しています。
実は前回ファン・ダイクの記事を書いた時に、この背走DFも書こうと思っていました。
というのも、過去にエンバペと1対1になった映像を見たことがあるのですが、
その時も今回と同じように背走(エンバペに対して背中を向けて)対応し、見事にブロックしていました。
つまりファン・ダイクは以前からこの「背走DF」をやっており、彼のDFスキルとして確立したものなのだと思います。
まず、背走というものを明確にしておきますが、
ネットで調べると
「野球で、ボールを捕るために、本塁側に背を向けて後方に走ること。また、前を向いたまま後ろへ走ること。」とあります。
サッカーでいえば上記の前半部分「本塁側に背を向けて走ること」と同じで、
「ドリブルしてくる相手に対して背中を向けて対応する」という事になります。
そして今回、私が最も伝えたいのは以下の部分です↓
今回のファン・ダイクのように、背中を向けて対応するDFというのは大半のDFの選手もやっていると思います。
ですが1on1において多くのDFは、相手のドリブラーが縦に大きく抜け出したりするまではサイドステップやクロスステップで対応します。
背中を向けて対応するにしても「ステップ」という足さばきの基本動作は崩さない中でスピードを上げているのです。
ですがファン・ダイクが決定的に違うのは、相手が縦にスピードを上げて抜きにかかる前、
相手と対峙している段階からステップという動作を解除し、RUN・つまりジョギングのように完全に走る形で、背中を向けて対応している点です。
特徴を活かした1on1スタイル
このDFは今回のように他に味方DFがおらず、絶対絶命の広大なスペースがある時に見られます。
ファン・ダイクはこの状況を逆手に取り、彼の強みを最大限に活かすために背走DFをしていると私は思っています。
どういう事かと言いますと
❶ファン・ダイク自身がスピードがある
❷「横への厚み」がある
という彼の特徴を最大限に生かせるのが背走DFになります。
❶スピードがある
そもそもファン・ダイクは、FWたちがインタビューでも語っていますが、DFなのにめっちゃ速いと恐れられています。笑
この速さを活かすには、彼の巨体を動かす加速動作を少しでも省いておいた方がいいです。ステップ⇒スプリントに切り替えるではパワーが多く必要で、体が大きいほどどうしても加速は遅くなります。
ジョグ⇒スプリントの切り替えであれば、走る延長上にスプリントがあるので切り替えがスムーズで、ある程度加速のパワーを省いて速さを活かすことができます。
そしてこれは以前に書いた「ファン・ダイクのスライディングスキル」にも繋がるのですが、
ステップ⇒スライディングよりも、
ジョグやスプリント体勢⇒スライディングの方が、スピードに乗ったスライディングができます。
つまり、あと一歩の所が届くスライディングができる事に繋がります。
❷横への厚み=身体的に横を取れるアドバンテージがある
続いて❷ですが
これはファン・ダイクは体の大きさ=横への厚みがあるため、横へ頑張って動かなくても、横を取れるということです。
ざっくり😅
少し大げさに書きましたが、つまり、体が大きいほど横へのケアは少なくても横を取れる(体を入れられる、体を当てられる)という事です。
シンプルな例になりますが、
例えば巨体の男性の横を通るのと、華奢な男性の横を通るのでは、どちらが通りやすいですか?
狭い通路なら通りにくい事もありますよね。
オフェンスからすれば、幅があるというだけで、より横から回らないといけないわけです。それはオフェンスのスピードを下げる要因になります。
こうして横方向へのケアにアドバンテージを持っている事で、縦のケアに「角度を割ける」事になります。
角度を割ける(さける)とはどういうことかと言いますと、
それが❸オフェンスの前のスペースを取る
事に繋がります。
❸オフェンスの前のスペースを取る
これもざっくりで恐縮です😝
対エンバペも、今回の対ハーランドもそうなんですが、
背走で対峙するほど、オフェンスの前方のスペースを消しながら対応できます。
オフェンスはどれだけスピードがある選手でも前方向をふさがれる事になります。
直進では出られないので「必ず、斜めに出ないといけません」
今回、ファン・ダイクはハーランドの真正面にポジションを取り、ハーランドと「並走」ではなく「前後の位置関係」を維持していました。
これにより、ハーランドは「前方のスペース」を消され続けており、前に出れば必ずファン・ダイクにぶつかってしまうため、スピードを活かして縦に直線的に出ることができなかったわけです。
結果、前方をふさがれたハーランドは最初は右方向に、最終的に斜め左に持ち出しています。
当然、斜めになるほどシュートも打ちづらくなりますし、シュートコースも消えてしまうわけで、苦しい体勢で打つことになったハーランドはゴールを決められませんでした。
これは背走DFによって真っすぐ進むスペースを消され続けた、最高の対応だったと思います。
さらに、❷でも述べたようにファン・ダイクは横方向へのアドバンテージがあります。
少し斜めに出ただけでは彼の横幅を回避できず、体を入れられるか、当てられるか、接触を受ける可能性は高いです。
接触を受ければ、彼のフィジカルに勝つのはどんな選手でも困難になるでしょう。
上記のメモに書いたように、
少し縦のスペースを空けて、オフェンスと斜めの角度で並走する通常のDFでは、
オフェンスに「ワンチャンでもいいから縦に真っすぐ出て抜いてやる」
そういった可能性を作ってしまいます。
そうさせないために、ファン・ダイクは大前提として、まずオフェンスの前方をふさいでしまうわけです。
それによりオフェンスに斜めにしか出れないようにさせることで、ファン・ダイクの強みである横への対応に持ち込むことができます。
オフェンスは縦に勝負しているつもりでも、斜めに走って遠回りさせられている、そしてシュートの角度もなくなっていきます。
これが背走DFのメリットになります。
「オフェンスの前のスペースに蓋をする」
そんなイメージでしょうか。
というわけで今回も急ぎ足で書いたのでざっくりになってますが
皆さんもよければ自分なりに「背走DF」試してみてください😄
ではまた、次回に👍