どもー。
きたむーです(^_^)
今回はディープインパクトの『蹄鉄』の後編です!
前回の投稿です↓
※前回の訂正
前回の投稿の最後に、私は『足首を滑らせる走り』と表現していたのですが、
馬の手首・足首(正確には手根関節・足根関節という名称です)は人間よりも高い位置にあります。
こちらの画像で、バンテージを巻いていてスネに見える部分が、馬の「手先」や「指」にあたるのだそうです。
そしてバンテージのすぐ上で屈曲している、膝に見えそうな関節が、馬にとっては『手首(前肢)』『足首(後肢)』となります。
そして私が足首と誤認していたバンテージ下の関節が『中手指節関節(前肢)』『中足趾節関節(後肢)』となります。
知らなかった、、(^^;
前回の記載部分も『足首を滑らせる』⇒『脚全体を滑らせる』という表現に訂正いたしました。
私自身、馬の体の事には素人で勉強不足でもありましたm(__)m
しかしながら、四肢の関節を滑らせているという考え方に変わりはありません。
今回はその話をしていきますので、よろしくお願いいたします!
🔷目次🔷
蹄にかかる荷重
前回、ディープの蹄鉄の磨耗が少ない事から、フローリングワイパーのヘッド(蹄)に干渉しないように、ワイパーの首の部分を柔軟に滑らせているのではないか、という事でした。
そうして脚全体を滑らせる走りというのが今回のテーマです。
ディープの蹄鉄の磨耗が少ないという事は前回から何度かお伝えしていますが、
磨耗を抑えるには、地面と蹄の摩擦の関係だけではなく、蹄にかかってくる荷重によっても変わってきます。
当然、蹄に体重がかかって重くなるほど、地面と擦れて蹄鉄の磨耗も大きくなります。
つまりディープは、足下(蹄)に自身の馬体重を多くかけずに走っていたと推測できます。
この辺りは、前回のフローリングワイパーのパイプ(柄)を強く持つと、ヘッドと地面の摩擦が強まるという考察と繋がります。
以上の事から私が思ったのは、ディープは脚全体が車輪を回すような走り方をしていたのではないか、という事です。
丸い回転の走り
皆さんもご存知のように、車や自転車など日常のあらゆる所で『車輪』が使われています。
地面との接地面が丸い車輪である事で、その衝撃(荷物の重さ)を滑って緩衝させます。
世の中に車輪の乗り物が溢れているのは、移動において車輪が最も効率が良いと知っているからですよね(^^)
ディープは、そんな効率の良い車輪に近い接地や回転をしていたから、スーパーな走りができたのではないか。
荷物を乗せた台車をイメージしてもらうと分かりやすいです。↓
この台車は地面との接地部分である『キャスター』が丸く回転する事で、重い荷物を運ぶ事ができます。
上記はあくまでも例ですが、ディープの四足も本質的にはこのような丸い回転の機能を果たす走法だったのではないかと私は思っています。
車輪に近い丸い回転軌道である事で、着地から離地までの接地区間を、地面に対して水平の角度で入りやすくなります。
着地に入ると同時に柔軟な関節で車輪のように丸く回転させる事で、着地の衝撃を逃がして蹄鉄を潰さない接地となります。
ディープの特徴でもある後肢の柔軟性は、より前着地が可能になるものです。
前に着地できるからこそ、振り子の振り幅が広がるのと同じで、より丸みのある回転を生み出せる可動域となります。
これにより、地面と衝突する縦の角度ではなく、地面に沿う水平角度で着地や回転がしやすくなります。
そしてこのような地面の角度に沿っていく回転は、車輪と同様に、惰性的な回転や加速性能の効率化といった、エネルギー面での経済的メリットを生み出します。
逆に、地面を叩いたり蹴る接地は、丸い回転ではなくホッピングのような上下動のある縦の回転に近いです。
この接地は地面からの反発を得て大きな推進力を得る代わりに、強いパワーが必要となります。
水平軌道のストライド
ディープが小柄な馬体であった事、そして蹄鉄の磨耗が少ないという2点において、
地面を叩いて強い力が必要な走りでは、スピードあるスーパーな走りができなかったと考えられます。そして、蹄鉄も他の馬同様の磨耗をしていたはずです。
ですので、地面を強く蹴ったり叩くような縦方向に跳ねて推進力を生む走りではなく、横にスライドしていく走り方をしていたと私は思っています。
エコで燃費の良い走り
丸い回転は、上記の台車のように荷物(胴体)をスライドさせて移動させる方法です。
それに対して縦に跳ねる回転は、荷物を抱えたまま移動する方法といえます。
荷物(胴体)を運ぶという点において、車輪の回転に委ねる方が少ないエネルギーで運べて効率的であるのは一目瞭然です。
決してパワーがあるとは言えない馬体のディープが特別な速さを持ち得たのは、このように走法の燃費において圧倒的な差があったからではないでしょうか。
ストライドロスが少ない
そして走法考察①でもお伝えしましたが、
丸い回転によって上に跳ねる動きが抑えられ、水平に前に進んでいく走りができます。
この水平軌道で進む走りは、ストライドのロスを抑え、ディープの特徴でもあるストライドの大きい走りに寄与するものだったと思います。
まとめ
以上の事から、ディープは強い接地と脚の力で胴体を押し運ぶ通常の走法原理ではなく、脚全体を丸く回転させ、胴体を前にスライドさせる走法だったと思っています。
この走法では、燃費性能とストライドの効率性において圧倒的な差が生まれ、それが体格的に小柄なディープをスーパーホースに押し上げたのではないでしょうか。
という事で、ディープインパクトの走法考察は以上となります。
お読みいただいた方、ありがとうございました😊
(・・・いやー、まさかこんなに長編になるとは思ってなかった。笑)
それではまた、次回に☆★